セミナー
第45回 日本福祉のまちづくり関西セミナー報告
『電動車椅子での航空機利用を考える』
開催日:2017年2月18日(土) 14:00 〜 16:30
場 所:大阪国際空港 北ターミナルビル4F 星の間
講 師:北川博巳氏(一般社団法人日本福祉のまちづくり学会)
宮野秀樹氏(兵庫頸髄損傷者連絡会)
山本勝代氏(全日本空輸株式会社)
剣持 悟氏(一般社団法人日本リハビリテーション工学協会)
場 所:大阪国際空港 北ターミナルビル4F 星の間
講 師:北川博巳氏(一般社団法人日本福祉のまちづくり学会)
宮野秀樹氏(兵庫頸髄損傷者連絡会)
山本勝代氏(全日本空輸株式会社)
剣持 悟氏(一般社団法人日本リハビリテーション工学協会)
今回の関西セミナーは、一般社団法人日本リハビリテーション工学協会関西支部、
兵庫頸髄損傷者連絡会との共催で行われました。
航空機はすべての人にとって長距離を短時間で移動できる便利な交通機関ですが、 電動車椅子使用者が利用する場合には、車椅子の乗り換えや様々な諸手続きの必要性、 バッテリーの取り扱いの問題などの身体的・精神的・時間的負担があり、 一般の人に比べて必ずしも利用しやすい状況とはなっていません。 この問題を解決するためには、障害当事者、支援者、車椅子メーカー、 航空事業者など関係する人が知識や情報を共有することが大切であるとの認識から、 今回のセミナーが企画されました。 多くの車椅子使用者を含む53名の参加があり、活発な議論と情報交換がなされました。
航空機はすべての人にとって長距離を短時間で移動できる便利な交通機関ですが、 電動車椅子使用者が利用する場合には、車椅子の乗り換えや様々な諸手続きの必要性、 バッテリーの取り扱いの問題などの身体的・精神的・時間的負担があり、 一般の人に比べて必ずしも利用しやすい状況とはなっていません。 この問題を解決するためには、障害当事者、支援者、車椅子メーカー、 航空事業者など関係する人が知識や情報を共有することが大切であるとの認識から、 今回のセミナーが企画されました。 多くの車椅子使用者を含む53名の参加があり、活発な議論と情報交換がなされました。
セミナーではまず、北川氏より「障害者差別解消法と交通アクセス」と題して
2016年4月より施行された障害者差別解消法の概要と、
差別にあたる事例及び合理的配慮に関する説明がなされました。
どこから障害を理由とする差別にあたるのかの指針策定がなされているが議論が不十分なことや、
合理的配慮に関して民間事業者は努力義務となっているが航空事業者を含めた公共交通事業者は
果たして民間事業者と同じ扱いで良いのかなどの問題提起がなされました。
続いて宮野氏から、電動車椅子を使用する重度障害当事者の立場から航空機を利用した経験談が話されました。 電動車椅子使用者には、「電動車椅子が壊れる」「バッテリーを外される」「長時間待たされる」 などの飛行機に対するマイナスイメージがあり、実際に多くの問題点も存在するが、 宮野氏の経験上、それをしなければいけない理由などの必要な情報が提供されれば、 問題を感じることなく快適に航空機を利用できるとの意見が出されました。 利用者は必要性を理解・納得できれば対処するための準備ができるので、 お互いに歩み寄り協力し合うことで問題は解決できると話されたのが印象的でした。
山本氏からは、ANAおからだの不自由な方の相談デスクにおける航空機利用の流れなどが話されました。 車椅子だけでなく多様な障害に対応しており、ホームページ等にて予約から到着までの流れを紹介するなど、 安心して利用できるようなサポート体制を構築している旨の説明がなされました。
剣持氏からは、これまで何度も空港関係者向けの車椅子取り扱いセミナーを開催してきた経験に基づいて、 エンジニアの立場から航空機利用に係る問題点の整理や対策例などの話題提供が行われました。
続くディスカッションでは、冒頭に三星先生からANAがバリアフリー表彰を受けた旨の説明があり、 その後障害当事者を中心にフロアから数多くの質問が飛び交い、活発なディスカッションとなりました。 今回は航空機利用に焦点を絞ったセミナーでしたが、実際に航空機を利用するためには空港アクセスの問題も欠かすことができず、 それをテーマにした議論の必要性も示されました。今回のセミナーの目的でもある多様な立場の関係者による情報共有・意思疎通を図るためには、 今後も継続してこうした場を設けることが大切であるため、第2回、第3回と継続していかなければならないと感じさせられました。
続いて宮野氏から、電動車椅子を使用する重度障害当事者の立場から航空機を利用した経験談が話されました。 電動車椅子使用者には、「電動車椅子が壊れる」「バッテリーを外される」「長時間待たされる」 などの飛行機に対するマイナスイメージがあり、実際に多くの問題点も存在するが、 宮野氏の経験上、それをしなければいけない理由などの必要な情報が提供されれば、 問題を感じることなく快適に航空機を利用できるとの意見が出されました。 利用者は必要性を理解・納得できれば対処するための準備ができるので、 お互いに歩み寄り協力し合うことで問題は解決できると話されたのが印象的でした。
山本氏からは、ANAおからだの不自由な方の相談デスクにおける航空機利用の流れなどが話されました。 車椅子だけでなく多様な障害に対応しており、ホームページ等にて予約から到着までの流れを紹介するなど、 安心して利用できるようなサポート体制を構築している旨の説明がなされました。
剣持氏からは、これまで何度も空港関係者向けの車椅子取り扱いセミナーを開催してきた経験に基づいて、 エンジニアの立場から航空機利用に係る問題点の整理や対策例などの話題提供が行われました。
続くディスカッションでは、冒頭に三星先生からANAがバリアフリー表彰を受けた旨の説明があり、 その後障害当事者を中心にフロアから数多くの質問が飛び交い、活発なディスカッションとなりました。 今回は航空機利用に焦点を絞ったセミナーでしたが、実際に航空機を利用するためには空港アクセスの問題も欠かすことができず、 それをテーマにした議論の必要性も示されました。今回のセミナーの目的でもある多様な立場の関係者による情報共有・意思疎通を図るためには、 今後も継続してこうした場を設けることが大切であるため、第2回、第3回と継続していかなければならないと感じさせられました。
(文責:金井謙介)
〈岡田支部長による挨拶〉
〈北川氏の講演〉
〈セミナーの様子〉
〈ディスカッションの様子〉
バックナンバー
- 第45回
- 「電動車椅子での航空機利用を考える」new
- 第44回
- 「環境計画における福祉的視点を目指して」
- 第43回
- 「日本、香港の高齢者・障害者の移動の現状と将来」
- 第42回
- 「当事者参加によるバリアフリーの到達点と今後の課題」
- 第41回
- 「大阪都心部のサイン環境からユニバーサルデザインを考える」
- 第40回
- 「車椅子の昨日・今日・明日
〜パーソナル・モビリティの進化と暮らしの変化〜」 - 第39回
- 「弱者のQOL向上を通して学ぶこと」
- 第38回
- 「みんなで語ろう、車椅子の歴史から見る ひと・もの・くらし」
- 第37回
- 「災害情報とバリアフリーな移動技術に関するセミナー」
- 第36回
- 「被災者の生活再建と復興まちづくり
〜阪神・淡路の経験を東北の被災地に生かすために〜」 - 第35回
- 「生きていく」上映会&ディスカッション
- 第34回
- 光と音とサインのユニバーサルデザインを考える
- 第33回
- 「生活維持のための地域公共交通の実現」
- 第32回
- 「障害者権利条約のトピックスについて」
- 第31回
- 淡路島の施設見学会とトーク 「癒しのユニバーサルデザインを考える」
- 第30回
- 「バリアフリー新法でまちはこう変わる」
- 第29回
- 「神戸ユニバーサルツーリズム みんな遊びにでかけよう!」
- 第28回
- 「外出したい」という思いの実現に向けて−情報案内からのアプローチ−
- 第27回
- 地域活動支援センター「ちのちのクラブ」ライブ & トーク
- 第26回
- 「心の障がいのある人も安心して住まえる環境づくり」
- 第25回
- 「福祉移送サービスの新展開」
- 第24回
- 「市民力による福祉の交通まちづくりの推進に向けて」
- 第23回
- 「『福祉のまちづくり条例』とかかわって」
- 第22回
- 「市民参加の交通バリアフリー」
- 第21回
- 「スポーツから考えるユニバーサルデザインシンポジウム」
- 第20回
- 「視覚障害を理解する」
- 第19回
- 「福祉のまちづくりに関する討論会」
- 第18回
- 「交通バリアフリー比較体験コース」
- 第17回
- 「福祉を評価すること」
- 第16回
- 「福祉のまちづくり条例改正〜大阪府・兵庫県・滋賀県の報告」
- 第15回
- 「交通バリアフリーへの人間工学からのアプローチ」
- 第14回
- 「ユーザーの立場から見た福祉のまちづくりの現状」