セミナー

第42回 日本福祉のまちづくり関西セミナー報告

「当事者参加によるバリアフリーの到達点と今後の課題」

開催日:2015年8月22日(土) 14:00 〜 16:45
場 所:常翔学園大阪センター 302教室
講 師:(関西セミナー)三星昭宏(関西科学福祉大学、近畿大学名誉教授)
講 師:(公開勉強会) 寺島 薫(潟Aークポイント)
今回は、平成26年度近畿運輸局バリアフリー化推進功労者表彰受賞されました元本学会会長である三星先生にご登壇いただき、 これまでの福祉のまちづくり経緯やユニバーサルデザインのまちづくりの経験、当事者参加・参画の重要性や他分野との連携等の課題についてお話しいただきました。 さらに、日本福祉のまちづくり学会国際特別研究委員会公開勉強会も併せて開催され、イラン/キャラジ市におけるBFまちづくり支援について寺島氏よりご報告いただきたました。 当日は17名の参加者があり、活発なディスカッションがなされました。
公開勉強会:「イラン/キャラジ市におけるBFまちづくり支援の報告2012〜2015  NPO法人イランの障害者を支援するミントの会(略称:ミントの会)の事業として」
寺島氏からは、イランのキャラジ市で、当事者参加のBFまちづくり研修及び子どもの障害理解学習を実施した報告がありました。 イランの状況は、高速道路やダムなどのインフラの整備が進んでおり、公共交通も鉄道、DRT、タクシーなどがあります。 近年は、モータリゼーションが進展し、特に、交通事故死者数が2〜3万人/年とかなり多くなっています。 障害者権利条約に2009年に批准していますが、道路や公共交通等のバリアはかなり多い状況です。 キャラジ市において、NPO法人イランの障害者を支援するミントの会により、BF研修が実施され、日本の基準や当事者とのまち歩きワークショップなどを実施されてきました。 その3年後には、実際にバリアフリー化された箇所もあり、その事後点検する取り組みが報告されました。 また、小学校における障害理解学習の実施について報告されました。
関西セミナー:「当事者参加によるバリアフリーの到達点と今後の課題」
三星氏からは、Transed2015で訪れたポルトガル・リスボンのバリアフリー化の現状や国土交通省のバリアフリー化表彰から、 川崎市の駅前広場の再整備の事例や札幌市狸小路商店街の通路の中央に敷設した点字ブロックの事例、清水寺、姫路城の観光バリアフリー化の状況、 さいたま新都心におけるバリアフリーまちづくりボランティアの取り組み、マツダスタジアム、 楽天Kobo(コボ)スタジアム宮城などの野球場施設のバリアフリー化の事例などが紹介されました。
(文責:柳原崇男)
ご講演の様子
〈ご講演の様子〉

バックナンバー

第42回
「当事者参加によるバリアフリーの到達点と今後の課題」
第41回
「大阪都心部のサイン環境からユニバーサルデザインを考える」
第40回
「車椅子の昨日・今日・明日
 〜パーソナル・モビリティの進化と暮らしの変化〜」
第39回
「弱者のQOL向上を通して学ぶこと」
第38回
「みんなで語ろう、車椅子の歴史から見る ひと・もの・くらし」
第37回
「災害情報とバリアフリーな移動技術に関するセミナー」
第36回
「被災者の生活再建と復興まちづくり
 〜阪神・淡路の経験を東北の被災地に生かすために〜」
第35回
「生きていく」上映会&ディスカッション
第34回
光と音とサインのユニバーサルデザインを考える
第33回
「生活維持のための地域公共交通の実現」
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「障害者権利条約のトピックスについて」
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淡路島の施設見学会とトーク 「癒しのユニバーサルデザインを考える」
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「バリアフリー新法でまちはこう変わる」
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「神戸ユニバーサルツーリズム みんな遊びにでかけよう!」
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「外出したい」という思いの実現に向けて−情報案内からのアプローチ−
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地域活動支援センター「ちのちのクラブ」ライブ & トーク
第26回
「心の障がいのある人も安心して住まえる環境づくり」
第25回
「福祉移送サービスの新展開」
第24回
「市民力による福祉の交通まちづくりの推進に向けて」
第23回
「『福祉のまちづくり条例』とかかわって」
第22回
「市民参加の交通バリアフリー」
第21回
「スポーツから考えるユニバーサルデザインシンポジウム」
第20回
「視覚障害を理解する」
第19回
「福祉のまちづくりに関する討論会」
第18回
「交通バリアフリー比較体験コース」
第17回
「福祉を評価すること」
第16回
「福祉のまちづくり条例改正〜大阪府・兵庫県・滋賀県の報告」
第15回
「交通バリアフリーへの人間工学からのアプローチ」
第14回
「ユーザーの立場から見た福祉のまちづくりの現状」